- 真空管を購入したいけど、選び方がわからない…..!
- できればビンテージ真空管を使ってみたいけど、選び方ってあるの?
- 真空管をいい音で楽しみたい!
真空管アンプを導入し、やってみたいことの1つが「真空管の交換」です。ですが、きちんと測定された真空管を選ばないとアンプを壊してしまうリスクがあります。
かくいう僕も、アンプを壊した過去があります……!
この記事を書いている僕は、真空管を100本以上取り扱ってきました。
普段は現在はWOO AUDIO「WA22」「WA8」という100%真空管サウンドを楽しめるアンプを使い、楽しんでいます。
真空管の選び方3選【良い球でアンプを楽しもう】
上記のとおりで、わりとシンプルです。それでは、順番にみていきましょう。
真空管の「種類」を確認する
まずは、交換をする真空管の種類を理解しましょう。
真空管の種類は主に下記の3つになります。
- 出力管(電力増幅管)
- ドライバー管(電圧増幅管)
- 整流管
それぞれの各段にて、使う真空管の「種類」が変わります。
まずは、真空管アンプで使用可能な「真空管規格」を把握しましょう!
なお、真空管の交換方法に関しては「真空管の交換方法【簡単な3つの手順】」で解説していますので参考にしてみて下さい。
続いて、真空管の「名称」を確認しましょう。
- 出力管(電力増幅管) 6AS7G、6080、5998、421A…
- ドライバー管(電圧増幅管) 12AU7、ECC88、6SN7…
- 整流管 5Y3G、5AR4、274B…
数字の箇所は、真空管の「名称」となります。
お使いの真空管アンプにより、真空管は変わりますので確認してください。
內部測定されている球を選ぶ
本記事の最重要ポイントです。
真空管を選ぶときは、必ず內部の特性や異常がない真空管を選ぶ必要があります。
ショートの原因は「精密測定をされていない真空管」を使ったのが原因でした。
內部でショート、またはリークしている真空管を使うと、プレート電流がヘッドホン側に流れてしまします。
ヘッドホンのドライバーユニットや、アンプのコンデンサー、出力トランスが壊れる可能性があります。
つまり、安いからという理由で、精密測定されていない「オークション」などで手に入れた真空管を使うのはかなり危険だということです。
外観から真空管を確認する
外観から真空管を判断をしてみましょう。
- ゲッター膜の減少
- ガラスのヒビ割れ
- ピン折れ
上記のポイントをまずは確認しましょう。
真空管の外観から「不良球」だと判断するの難しいです。とはいえ「不良球」を掴まないためにもしっかり確認しましょう。
不良球とは、明らかに管内のゲッターが抜けきっており、オシャカになった真空管や、寿命が尽きかけていたり、內部リークしている真空管を指します。
たまにオークションで出品している方を見かけるんですよね。
真空管のピン折れした場合も、折れ方によっては真空が抜ける可能性があるので注意しましょう。
» 参考記事:真空管の交換時期を見極める4つのこと【寿命についても解説】
精密測定された真空管を使おう
繰り返しにはなりますが、必ず「精密測定」された真空管を購入することが選び方のポイントです。
- 內部ショートが分かるから
- 內部の特性・真空管の寿命が分かるから
- マッチドペアの判別が付き、選定ができるから
上記は、真空管アンプを最大限に楽しむ上で必要だと思います。
內部特性が揃っていない➜左右chのバランスが合わない
双三極管であれば、內部に2つの電極が存在します。
実は、2つの特性が揃っておらず、音量バランスが悪い……。ということもあります。
內部のエミッションバランス(=残りの寿命を示す値)が揃わなければ、音質も悪くなります。
この辺りに関しては、真空管試験機をもっていないと判別ができません。
真空管測定器で測定しているところを選び、購入しましょう!
現行球とビンテージ管を選ぶ基準について
結論は、真空管の「使用目的」で変わります。
目的別に見ていきましょう。
真空管アンプを自作している
真空管アンプを自作して、楽しんでいる方もいると思います。
アンプを自作するのであれば、真空管は二の次くらいがちょうどいいかもしれません。
アウトプットトランスやオーディオ用の良質な抵抗器に予算を積むべきです。なぜなら、真空管アンプの「音質を左右する」からです。
真空管の交換よりも「音の変化が大きい」です。
そう考えると、高価なビンテージ管より、安価で入手可能な「現行生産の真空管」を選ぶとメリットがあります。
予算をトランスなどの部材に回せますね。
既成の真空管アンプを使っている
既製品の真空管アンプを使っているのであれば、ビンテージ真空管を使ってみましょう。
最盛期につくられた真空管を搭載できる「喜び」は、マニア心をくすぐります。
すべてのビンテージ管で音が良いとは一概には言えません。
とはいえ、つくられた工場・国・技術力などで絶妙な味わいがあるのも事実。
なにより、古き良き「産業資材」を現代で使えることはロマンに溢れていると思います!
真空管の音を良くする音楽環境
ビンテージ真空管の音質には、特有の美しさがあると考えています。
とはいえ、より確実に音質を向上させたいのであれば、こだわるべきポイントはあります。
- DACにこだわる
- リケーブル(線材)にこだわる
- 電源を良質なものに変える
音質を底上げするポイントは多く存在します。
真空管の交換よりも「音質向上する可能性」があるので、まずは優先してみるのもありです。
結果的に、真空管の音色を際立たせることにもつながります。
あなたが”いい音”と感じる組み合わせを選ぼう
結論は、あなたが「いい音と思えるほうを選ぶ」です。
いろんな意見や理屈はありますが、まずは真空管を交換してみて「自分がベスト」だと思う音を探してみましょう。
これは極論ですが、聴いているあなたが「いい音」と満足しているのであれば、現行球・ビンテージ真空管どちらでも構わないと僕は思います。
真空管アンプの心地よい音を、ともに音楽を楽しみましょう!
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