開放型ヘッドホンは、その名の通り音の広がりや自然な空気感を感じやすく、室内でのリスニングに最適です。
目の前で演奏されているような臨場感を求める方には、開放型の魅力は計り知れません。
本記事では、私が実際に試聴・比較した5つの「開放型有線ヘッドホンおすすめランキング5機種⇓」をハイエンドモデルに特化して紹介。
あくまで主観ですが、ぜひ参考ください。
試聴にあたり以下の据え置き機材を使用しています。

- 電源部
- CSE TX-2000
- プレーヤー
- Wyred 4 Sound MS Music Server
- DAC
- Wyred 4 Sound DAC2-V2SE
- 真空管アンプ
- Woo Audio WA22(フルチューニング版)
開放型有線ヘッドホンおすすめランキング5機種【実機を聴いた感想から紹介】

開放型ヘッドホンを実際に聴いて比較したモデルの中から、総合的に優れた5機種を紹介します。
HIFIMAN SUSVARA UNVEILED

HIFIMANのフラッグシップモデル「SUSVARA UNVEILED」は、まさに“究極の開放感”を体現する一台です。
SUSVARA UNVEILEDの音質傾向
-
- 低域の量感
- 4
-
- 中域の厚み
- 5
-
- 高域の伸び
- 5
-
- 音場の広さ
- 5
-
- 定位の精度
- 5
製品名 | HIFIMAN SUSVARA UNVEILED |
---|---|
ドライバー | 平面駆動型 (ナノメートル厚振動板+ステルスマグネット) |
感度 | 86dB |
インピーダンス | 45Ω |
ケーブル端子 | 3.5mmデュアル(HiFiMAN標準) |
質量(実計測) | 約431.5g(ケーブル除く) |
メリット | 音の鮮度が高い 軽くて快適な装着感 広い空間に各音が煌めいている 生音のようなリアリティがある あらゆる音楽にたましいが宿る |
デメリット | 超高額で購入ハードルが高い トータルバランスで費用がかかる 純正ケーブルがダメダメ →リケーブルで激変する |
おすすめ度 | |
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平面駆動型(ナノメートル厚振動板+ステルスマグネット)による
- 音の立体感
- 音の躍動感
- 口元が近い生々しいヴォーカル
が特徴です。





ヴォーカルと楽器の分離が非常に明確で、
- クラシック
- ジャズ
- POPS

細やかな音の表現力が求められるジャンルはもちろん、女性ヴォーカルが好きな方に特におすすめ!
鳴らすには強力なアンプが必要な点は要注意ですが、そのポテンシャルは圧倒的です。
HIFIMAN SUSVARA UNVEILEDを購入してみた感想を見る👀
レンタルは以下から可能です👇️

final D8000 DC Pro Edition

finalの「D8000 DC Pro Edition」は、高精細かつ量感ある低音を両立した高解像度モデルです。
D8000 DC Prp Editionの音質傾向
-
- 低域の量感
- 4
-
- 中域の厚み
- 4
-
- 高域の伸び
- 5
-
- 音場の広さ
- 4
-
- 定位の精度
- 5
製品名 | final D8000 DC Pro Edition |
---|---|
ドライバー | 平面磁界型(AFDS搭載超薄型アルミ振動板) |
感度 | 90dB/mW |
インピーダンス | 50Ω(1kHz時) |
ケーブル端子 | 3.5mm、2極(ロッキング機構付) |
質量 | 約444g(ケーブル除く) |
メリット | 高域が滑らかに伸びて粒立ちも鮮明 音像がシャープで定位が正確 ボーカルが甘く切なく響く 中域が濃密で音に厚みがある 低域が深く沈み量感も程よい |
デメリット | 側圧が強く重い 長時間使用すると耳の縁が痛くなる →イヤーパッドに耳縁が収まると痛みなし |
おすすめ度 | |
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後に紹介する従来のD8000よりもさらに伸びやかな高音域とを実現し、音の余韻や響きに包まれるようなリスニング体験が可能。






低音の深さと広がり、そして中高域の透明感は極めて秀逸で、POPSからオーケストラまで幅広く対応可能です。
和紙を用いた特殊繊維のイヤーパッドは心地よく、長時間の使用にも耐えます。
final D8000 DC Pro Editionを購入してみた感想を見る👀
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FOCAL UTOPIA(初代)

FOCALの初代「UTOPIA」は、ダイナミック型ヘッドホンの中でもひとつの頂点に立つ存在。
FOCAL UTOPIAの音質傾向
-
- 低域の量感
- 5
-
- 中域の厚み
- 5
-
- 高域の伸び
- 4
-
- 音場の広さ
- 4
-
- 定位の精度
- 5
製品名 | FOCAL UTOPIA(SG) |
---|---|
ドライバー | 40mm ピュア・ベリリウム M字型ドーム |
感度 | 104dB |
インピーダンス | 80Ω |
ケーブル端子 | LEMO |
質量 | 約490g(ケーブル除く) |
メリット | スピーカーさながらの空間表現力 ディテールが浮き彫りになる圧倒的な高解像度 ダンピングの効いた低音 重量の割に疲れにくい イヤーパッドが上質で心地良い |
デメリット | 価格高騰で導入ハードルが高い 初代UTOPIAはボイスコイル断線のリスクあり →ラックスマンにて修理可能 |
おすすめ度 | |
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ピュア・ベリリウム製ドライバーを搭載し、開放型でありながら驚くほどの解像度とダイナミクスを誇ります。

音像定位が非常に正確で、ライブ音源などの音場表現には目を見張るものがあります。




低音の質が非常に高く、先に紹介したSUSVARA UNVEILEDよりワンランクアップしていると感じます。
開放型らしからぬキレの良い深みのある低音と超解像度を求めるユーザーには間違いなく刺さるモデルです。
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final DX6000

「DX6000」はfinalが誇る開放型モデルで、DC Pro Editionに迫る完成度を持ちながら、価格帯では比較的手が届きやすいモデルです。
final DX6000の音質傾向
-
- 低域の量感
- 3
-
- 中域の厚み
- 3
-
- 高域の伸び
- 4
-
- 音場の広さ
- 4
-
- 定位の精度
- 4
製品名 | final DX6000 |
---|---|
ドライバー | ダイナミック型 (トランジェントコイルシステム搭載) |
感度 | 83dB |
インピーダンス | 47Ω |
ケーブル端子 | 3.5mm2極 |
質量 | 約363g(ケーブル除く) |
メリット | 標準機として長く使える 装着感がとても軽い 側圧が程良く痛くならない 滑らかな高域で低音の量感も十分ある ホールライクな生音場が聴ける 価格以上の音楽体験ができる |
デメリット | 味気なく聴こえる可能性あり Dシリーズのケーブルが使えない →リケーブルで代替可能 |
おすすめ度 | |
視聴してみる | レンタルはこちら |
音の滑らかさと開放感のバランスが絶妙で、リスニング用途はもちろん、オールマイティに楽しめる万能タイプ。
装着感も良く、DC Pro Editionより軽いので、長時間の使用でも快適さを保ってくれます。






基準機になるようなモデルを求めているユーザーにおすすめの一本です。
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final D8000

finalの「D8000」は、開放型でありながら低音の量感とパンチ力をしっかりと感じられるモデルです。
D8000の音質傾向
-
- 低域の量感
- 5
-
- 中域の厚み
- 4
-
- 高域の伸び
- 2
-
- 音場の広さ
- 3
-
- 定位の精度
- 4
ダイナミックさと滑らかさを両立し、ポップスやEDM、ロックなどビートが強い音楽にも十分対応できます。
柔らかく広がる音場と、深く沈み込む低域の両立は、開放型ヘッドホンではなかなか得難い特徴です。






高音域の伸びはイマイチですが、解像度も高く、リスニングがどんどん楽しくなる音作りです。
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開放型有線ヘッドホンのデメリット
開放型ヘッドホン実際に使ってみて感じたデメリットを3つに分けて紹介します。
音漏れが大きく使用シーンを選ぶ
開放型ヘッドホンは、その構造上、音がハウジングの外に漏れるように設計されています。
自然な音の広がりを実現するために欠かせないものですが、音漏れが大きく、周囲に音が盛大に漏れるという弱点があります。
- 図書館
- カフェ
- 電車内
などの公共の場では使用を避けるべきでしょう。
自宅で一人で音楽に浸るシーンでは問題ありませんが、「場所を選ぶ」ヘッドホンであることを理解しておく必要があります。
外部の音を拾いやすく集中しづらい
開放型ヘッドホンは遮音性が低いため、外からの音をそのまま拾ってしまいます。
たとえば…
- 話し声
- 物音
- 外部音
などがそのまま聞こえるので、音楽や作業に集中しづらいことも。
静かな環境で楽しめるかが、開放型を活かすポイントになります。
しかし、「⇑開放型有線ヘッドホンおすすめランキング5機種」で紹介したハイエンドヘッドホンであればこの問題は軽減可能です。
ケーブルの素材に音が左右される
有線ヘッドホンはケーブルを通して信号を伝えるため、ケーブルの素材や構造が音質に影響を及ぼします。
開放型ヘッドホンは音の再現性が高く繊細な表現が得意なため、ケーブルによる音の違いが顕著に出やすい傾向があります。

リケーブルに関しては、賛否両論ありますが私は確実に音質変化すると感じます。
付属のケーブルが標準的なものだと、本来の実力を出し切れないことも。
純銀ケーブルなど、グレードの高いリケーブルを選ぶことで音質の向上が見込めます。
開放型有線ヘッドホンのメリット
開放型ヘッドホンは、構造的に音を密閉せず開放することで、自然で広がりのある音場を再現します。
実際に使って感じた開放型ならではのメリットを4つに分けて紹介します。
音の抜けが良くストレスなく聴ける
開放型の最大の魅力の一つが、「音の抜け」の良さです。
ハウジングが閉じていないため、音がこもらずに自然に外へと広がっていきます。
高音域の伸びや透明感が際立ち、長時間聴いていても耳が疲れにくいのが特長。
密閉型特有の「音がこもって聴こえる感じ」が苦手な方にもおすすめできます。
音の圧迫感が少ないため、リラックスしながら音楽に浸りたいときにもぴったりですよ。
軽量化しやすく疲れづらい
開放型ヘッドホンは、、軽量な設計がしやすいという利点があります。
ハイエンドヘッドホンであれば400g超えの重さはあるものの、独自の設計により長時間装着していても首や頭が疲れにくいモデルも多いです。
さらに、イヤーパッドやヘッドバンドの通気性が良いこともあり、蒸れ対策にもなります。長時間リスニングでは快適に使える仕様が多いのが魅力です。
空気感や臨場感が自然に伝わる
開放型ヘッドホンは、空間開け、自然な音の広がり方をします。
ライブ会場にいるような臨場感や、生演奏を間近で聴いているようなリアルさが体験できます。
- クラシック
- ジャズ
- アコースティック
など、繊細な音のニュアンスが求められるジャンルと相性抜群。

ライブ録音された音源でも、まるでその場にいるかのような感覚で音楽を楽しめます。
密閉型ではなかなか得られない、開放型ならではの醍醐味です。
音の立体感や奥行きをリアルに感じられる
開放型ヘッドホンは、左右の広がりだけでなく前後や上下の音の位置関係まで明確に感じ取れる立体感が特徴。
音の定位がしっかりしているため、楽器の配置やボーカルのポジションが明確にわかり、「音に包まれる感覚」を味わえます。
録音の良い音源や、ライブアルバムなどでは、ステージ上の動きや空間の広がりまでリアルに再現されるため、臨場感を重視するリスナーには非常に満足度の高い体験ができるでしょう。
開放型有線ヘッドホンの名機は?密閉型とどっちが良い?(Q&A)
開放型ヘッドホンに関するよくある質問にQ&A形式でまとめました。
名機と呼ばれるモデルから、密閉型との比較、ゲームやワイヤレス対応まで、選ぶうえで気になるポイントをわかりやすく解説します。
開放型有線ヘッドホンの名機は?
「名機」と呼ばれる開放型ヘッドホンには、音質・設計・耐久性において高い評価を受けているモデルが数多くあります。
中でもHIFIMAN SUSVARA UNVEILEDは、その空間表現と圧倒的な解像度で世界中のオーディオファンから支持されています。
また、final D8000 DC Pro EditionやFOCAL UTOPIA(初代)なども、開放型ヘッドホンの歴史に名を刻む名機と言えるでしょう。
開放型と密閉型どっちが良い?
用途や好みによって変わりますが、
- 開放型ヘッドホン
- 音の広がり・自然さ・快適性が魅力で、静かな室内でじっくり音楽を楽しむスタイルに向いています。
- 密閉型ヘッドホン
- 遮音性が高く音漏れが少ないため、外出先でも使いやすい。低音の迫力や音圧が欲しい人にも◎
自宅での高音質リスニングを重視するなら、開放型がベストでしょう。
開放型ヘッドホンで蒸れない機種は?
蒸れにくさを求めるなら、軽量で通気性に優れたモデル選んでみてください。
たとえば、final DX6000は、約368gと他モデルと比較して軽く、和紙を用いた特殊繊維のイヤーパッドが特徴。
また、FOCAL UTOPIAはラムスキンレザーを採用しており、長時間でも蒸れを感じにくい設計となっています。
ゲームに最適な開放型ヘッドホンは?
ゲームで使うなら、音の定位感と広がりが重要。
- EPOS H6Pro(開放型)
- audio-technica ATH-GDL3
どちらもFPSゲームなどで求められる方向感の把握に優れており、マイク付きモデルもあるためボイスチャットにも対応。
fumo TRUTH Open Air Gaming Headsetのようなゲーミング特化モデルなら、軽量でマイク性能も高く、プレイに没入しやすい設計が魅力でしょう。
ワイヤレス開放型ヘッドホンのおすすめは?
厳密に言えば、「完全な開放型」でワイヤレス対応のヘッドホンは非常に少なく、市場の大半は密閉型です。
しかしその中でも、開放型に匹敵する空間表現や自然な音の広がりを実現しているワイヤレスモデルは存在します。
HIFIMAN DEVA Proはオープンエアー設計のワイヤレス対応モデル。
Bluetoothモジュール(Bluemini R2R)を介してワイヤレス再生が可能でHIFIMANらしいナチュラルで透明感のある音が味わえます。

また、FOCAL BATHYSは密閉型ながらも、FOCALならではの空間再現力と音の開放感が特徴。
ハイエンドオーディオに通じる精緻なサウンド設計が施されており、開放型の雰囲気を求めつつも外でも使いたい方に最適です。
開放型(有線)ヘッドホンで失敗しない選び方5つ
開放型ヘッドホンを選ぶ際に失敗しないための5つのポイントを紹介します。
重さや装着感
開放型は比較的軽量なものが多いですが、実際に装着してみないとわからない点もあります。
長時間使用するなら、頭部への圧迫感が少ないヘッドバンドや柔らかいイヤーパッドを備えたモデルを選ぶと快適です。
装着感は音の没入感にも影響するため、軽視せず確認したいポイントです。
アンプの駆動力
高音質かつハイエンド開放型ヘッドホンほど、駆動に必要なパワー(インピーダンスや感度)が大きくなる傾向があります。
そのため、ポータブルプレーヤー直挿しでは本来の性能を発揮できない場合もあります。
自宅でしっかりと音を鳴らしたいなら、
- 据え置き型のヘッドホンアンプ
- DAC
- クリーン電源
の導入も視野に入れると良いでしょう。
駆動力不足だと音が痩せたり、物足りなさの原因になります。
再生環境との相性
再生機器との相性はとにかく大事です。
お店やイベントで試聴したときは良く感じたけど、自宅の再生環境との相性が悪いと音楽を心から楽しめません。
また、音源のジャンルや音の傾向によっては、ヘッドホンと機材の組み合わせで聴こえ方が変わります。
できる限り視聴を行い、その際は
- 聴き慣れた音源
- 再生環境(プレイヤー等)
は持参するようにしましょう。
もちろん据え置きの場合はそうはいきません。
ハイエンドモデルをご自宅で試聴されたい場合は、当店のレンタルサービスを検討してみてください。
メンテナンス性
開放型ヘッドホンは通気性が良い反面、ホコリや汚れが内部に入りやすい傾向があります。
- イヤーパッドが交換可能か
- 清掃しやすい構造か
- 万が一のときは修理対応可能か
を購入前に確認しておくと安心です。
自宅環境で試聴する
ヘッドホンを購入する際は、実際に自分の耳で聴いてみるという体験が何より大切です。
とくにハイエンドモデルほどこの過程は欠かせません。
可能であれば
- お店の試聴コーナー
- オーディオのイベント
- レンタルサービス
などを活用して、あなたのリスニング環境に近い場所で試すことをおすすめします。

音は環境によって印象が変わるため、自宅の静かな部屋で聴くの最適。
実際の試聴を通じて選ぶことが、後悔しない一番の方法です。
開放型(有線)ヘッドホンおすすめランキング5機種(まとめ)
開放型ヘッドホンは、その構造ならではの自然な音の広がりや空気感、高い解像度が魅力です。
本記事で紹介した5つのモデルは、いずれも私が実際に試聴して厳選した名機たちです。
どのモデルも個性的で、それぞれに魅力があります。
ぜひ今回のランキングを参考に、あなただけの“最高のリスニング体験”を叶えてくれるヘッドホンを見つけてみてください。



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