- 真空管の交換って難しそう。安全な交換方法が知りたい
- 真空管の抜き挿しが固く、真空管が壊れないか不安……。注意点があれば知りたい
- そもそも、真空管を交換する意味ってあるの?
真空管をはじめて交換する際は不安になりがち。とはいえ、慣れてしまえば簡単に交換できますので安心してチャレンジしてみてください。
記事の後半では、真空管を交換する理由を紹介しています。
この記事を書いている僕は、真空管アンプの使用歴が5年以上。真空管の総保有数が100本ほどです。
現在はWOO AUDIO「WA22」「WA8」という100%真空管サウンドを楽しめるアンプを使い、音楽を楽しんでいます。
真空管の交換方法【簡単な3つの手順】
結論からいうと、真空管の交換自体はそこまで難しくありません。
※今回はWOO AUDIO WA22のように、真空管をアンプの外側から交換する方法です。內部の真空管を交換する際は「感電リスク」がありますので、専門のサポートに問い合わせることをおすすめします。
上記を踏まえつつ、真空管を交換する手順は下記をご覧ください。
真空管を交換する手順
基本的に上記を守れば、真空管を壊す心配や火傷のリスクも少なくなります。
アンプの電源ケーブルを外す
安全性のため、電源ケーブルは必ず外しておきましょう。
電源を切るだけではなく、大元のケーブルから外すことで感電のリスクを減らせるからです。
とくに、アンプ內部の真空管を交換する際は注意して下さい。
電源ケーブルを外していても、內部パーツに電流が流れている可能性があります。その点、WOO AUDIO WA22は電源さえ切っておけば感電リスクはほぼありません。
なお、真空管ポタアンのALO audio「Continental Dual Mono」などであれば、容易に交換ができるのでリスクは少ないです。
真空管の熱が完全に冷えてから交換する
真空管をはじめて触る方は、電源を切った後の真空管を触らないようにしましょう。
電源を切りたての真空管は、かなり高温です。必ず時間を置き、真空管が冷めてから交換すると安全です。
慣れない内は、つい触ってしまうことがあるので火傷に注意してくださいね。
真空管の抜き挿しは「真っすぐ力を抜いて」ゆっくりと交換する
完全に真空管の熱が冷めたら、実際に交換をしていきましょう。
ポイントはなるべくまっすぐ引き抜くイメージです。力をかけすぎると真空管ソケットのピンが折れてしてしまうことも。
ゆっくり真空管を引き抜いていきましょう。
ソケットが固くて真空管が抜けない場合は、真空管を左右に揺らしつつ、真上に向かって抜くと外れます。
真空管を掴むときはガラスの部分ではなく、ソケット(スカート)を持つようにすると安定しますよ!
真空管の裏面を見てみましょう。
「金属ピン」とその中心に、「軸となるピン」が確認できると思います。
中心の主軸(ガイドピン)の位置と、アンプ側のピン位置を合わせるようにまっすぐ挿し込みます。
ガイドピンとアンプ側のソケット位置があってないと、真空管のガイドピンが折れる可能性があるので慣れないうちはよく確認しましょう。
真空管を交換する際に注意すべき5つのこと
真空管を交換する際の注意すべきポイントは次のとおりです。
それでは1つずつ深堀りしていきましょう。
感電リスク
真空管アンプの交換で注意したいのは感電リスクです。
アンプ内部の交換に限られますが、大元の電源ケーブルを抜いたとしても、コンデンサーに電荷が蓄えられている可能性があるからです。
つまり、感電する可能性は大いにあり得るので注意が必要です。
火傷のリスク
真空管は熱を発生させ、内部の電子が安定することで「正常稼働」します。
なので電源を切ったばかりの真空管はとにかく熱いです。
はじめての方や、慣れて方でもうっかり触ってしまうことがあるため、必ず時間をおいて交換作業をしましょう。
無理な力を真空管にかけない
真空管の交換になれていても、真空管を破損させることがあります。
真空管アンプのソケット、あるいは変換ソケットが異常に固いものがあります。かなか抜けませんので、力みすぎないように気をつけましょう。
また、落下や衝撃に注意です。真空管を覆っているのはガラスです。
落下や衝撃にかなり弱いため、貴重性が高い真空管ほど取り扱いには要注意しましょう。
僕も何度か割ったことがあります……。もちろん真空管が割れたらそれで終わりなので注意してくださいね。
真空管のラベル(ロゴ)に注意
個人的に思う注意点があり、それは真空管ラベル(ロゴ)の剥げです。
真空管ラベルとは、真空管に印刷されている文字やステッカーのこと。
古いビンテージ真空管は各メーカーの個性が見て取れるポイントになっており、いわば真空管の顔のようなものだと僕は考えています。
真空管の交換時に、なにも意識せず握りしめるとせっかくのロゴやラベルが剝がれてしまいます。
ガラス部分にマジックで文字を書く人がいますが、おすすめしません。
真空管の内部異常に注意
今お使いの真空管は内部測定されたものでしょうか?
実は、NOS(新古品)で入手したとしても経年劣化、あるいは何かの要因で内部でショートしているものがあります。
ショートしている真空管を使うと、アンプやヘッドホンを壊すリスクが高くなるので中古球ほど注意しましょう。
真空管の購入時に注意すべきポイント
真空管を購入する際の注意点は下記のとおりです。
- 内部の特性を試験機で測定してる
- 測定結果を明示している
大切なアンプやヘッドホン保護のためにも上記の点に気を付けましょう。
新品球ならわりと安心ですが、100%ではありません。
なお、真空管の異常に関しては「真空管の交換時期を見極める4つのこと【寿命についても解説】」で深堀りしていますので是非ご覧ください。
交換時の手袋着用について
真空管を交換するときは手袋が必須だと言われています。
手脂がガラスに付着すると劣化してしまう可能性があるからです。
とはいえ、感電リスクが低い場合であれば着用する必要はないと考えています。
手袋を装着することで真空管をうまく掴めず、真空管ラベルを傷める可能性が高いです。
「真空管が劣化する」という意見は、真空管をメガネふきなどで手入れをしていれば、汗や脂の心配もありません。
真空管を交換するべき2つの理由
真空管を交換するべき理由は下記のとおり。
上記の2つです。詳しく見ていきましょう。
真空管の個性や音色を楽しむため
いわゆるチューブローリング(球転がし)と呼ばれており、ビンテージ真空管の醍醐味です。
同じ名称、同じ種類の真空管でも、つくられた年式や製造メーカーで微妙に音が変化し、国によっても違いがあります。
ちょっとオカルトじみた話ではありますが、実際に音は違います。
真空管の音質に関しては「【真空管の交換】音が変わる3つの理由【100本交換してわかったこと】」にて解説していますので、参考までにご覧ください。
真空管の寿命を延ばすため
真空管は、いつか必ず寿命を迎えます。
一般的に寿命は5000時間と言われており、複数の真空管を交互に使うことで寿命を延ばすことが可能です。
真空管の交換手順を守れば、真空管は余程のことがない限り壊れません。
はじめて真空管に触れる方であれば悩むかもしれませんが、まずは安心して真空管の交換にトライしてみましょう!
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