音質・満足度:
FOCAL FOR|BENTLEY
2020年12月。FOCALとBentley(高級自動車)というメーカーがコラボしたヘッドホン、「RADIANCE」が登場しました。
上位機「FOCAL STELLIA」とはドライブユニットの素材はちがうものの、FOCALらしい立体感のあるサウンドを本機は実現しています。
この記事を書いている僕は、FOCALヘッドホンの愛用者です。「UTOPIA」「STELLIA」「RADIANCE 」の使用歴が3年以上。
僕が視聴している据え置きの音楽環境は下記のとおりです。
- Woo Audio / WA22
- Wyred 4 Sound / DAC-2V2SE
- Wyred 4 Sound / Ms Music Server
トータル100万円以上の組み合わせになり、FOCAL RADIANCEを完全に鳴らし切るために構築しました。
2022年7月現在、FOCAL RADIANCEは販売終了となりました。店舗の在庫限りとなりますので、気になる方は早めの購入をおすすめします。(中古品はドライブユニット破損の可能性もあるのでおすすめしません。)
FOCAL RADIANCEは、上位モデル「UTOPIA」や「STELLIA」の”たましい”を引き継ぎつつ、とてもバランスの取れた仕上がりのサウンドです。
FOCALヘッドホンをより身近に、より楽しめるモデルですので、ぜひ最後までご覧ください。
FOCAL RADIANCE(ラディアンス)の概要
「FOCAL RADIANCE」はFOCALの音をより身近に楽しめるモデルとなり、非常にコスパの良い密閉型ヘッドホンです。
元箱を開けると、下記のようなメーカー刻印の”ブラックボックス”が現れます。
RADIANCEが入った専用キャリングケース・マニュアル・カタログが付属しています。
専用のキャリングケースは、Focalヘッドホンではお馴染みのガッチリとした耐久性の高いケースとなります。
FOCAL STELLIAと酷似していますが、よくみると全体的にメタリックな色合いのケースです。
ジッパーの取っ手とセンターの「FOCALロゴ」のカラーは、濃いメタリックブロンズ。
ケース本体の取っ手には「BENTLEY」のエンブレムが刻印されています。
携帯性も優れており、外出もストレスなく持ち運べます。
- 製品名 / RADIANCE
- 重量 / 435g(本体)
- 感度 / 101db SPL / 1mW@1kHz
- 周波数特性 / 5Hz~23kHz
- インピーダンス / 35Ω
- ドライバーユニット / 40mm”M字型”アルミニウム/マグネシウム・ドーム
15万円以下のモデルながら、他社のハイエンドモデル以上のサウンドを実現します。
デザイン性の良さもあり、FOCALヘッドホンを家でも外でも楽しみたい方に最適。シックに輝くブラックとゴールドが上品さを醸し出し、持つ喜びを引き立てます。
Bentleyの電気自動車を基調としており、「車内」と「外観」をイメージ。ハウジングの素材には「ソリッドアルミニウム」なる高級素材を選定。
安っぽさは微塵もなく、ただただ「美しい……」の一言です。
RADIANCEはプレーヤー直刺しでも十分鳴らしやすいヘッドホンですが、できるならヘッドホンアンプを使いましょう。
上位機にも負けずとも劣らないスピーカーサウンドを楽しめるからです。
FOCAL RADIANCEとUTOPIA・STELLIA・CLEAR MG・CELESTEEのスペック比較
FOCAL RADIANCEと同社ヘッドホンとの比較は下記をご覧ください。
製品名 | RADIANCE(販売終了) | UTOPIA(販売終了) | STELLIA | CLEAR MG | CELESTEE |
---|---|---|---|---|---|
オススメ度 | |||||
形式 | 密閉型 | 開放型 | 密閉型 | 開放型 | 密閉型 |
ドライブユニット | 40mm‘M’字型アルミニウム/マグネシウムドーム | 40mm‘M’字型ピュアベリリウム・ドーム | 40mm‘M’字型ピュアベリリウム・ドーム | 40mm’M’字型マグネシウム・ドーム | 40mm‘M’字型アルミニウム/マグネシウムドーム |
質量(本体のみ) | 435g | 490g | 435g | 450g | 430g |
アンプの必要性 | 不要 | 必ず必用 | 必用 | 不要 | 不要 |
年式 | 2020 | 2016 | 2019 | 2021 | 2021 |
価格 | 165,000円 | 550,000円 | 363,000円 | 170,500円 | 110,000円 |
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本機の音質は、DAP直挿しであってもダイナミックかつ深みのある重低音が楽しめ、全帯域バランスのいいサウンドです。
上位機とのちがいは「40mm‘M’字型アルミニウム/マグネシウムドーム」を採用している点です。ヘッドホンアンプを使わずとも、滑らかで鳴らしやすいのが特徴。
金属的な鳴りもなく、音漏れもSTELLIAより気になりません!
正直、RADIANCEのあとに他社の20万超えヘッドホンを聴くと、見透しの悪いスカスカした音に聴こえるんですよね……
所感では、他社のハイエンドヘッドホンよりも音の“抜け”が良く、音質もRADIANCEのほうに軍配があがります。
FOCAL RADIANCEをレビュー
FOCAL RADIANCEの特徴を紹介します。
1つずつ見ていきましょう。
アルミニウム/マグネシウムドーム振動板を搭載
RADIANCEの振動板にはアルミニウム&マグネシウムで形成された「40mm”M字型”アルミニウム/マグネシウム・ドーム振動板」が採用されています。
アルミニウムがメインの合金仕様で「自然な音場」と「HI-FIなサウンド」が楽しめます。
2021年登場の密閉型ヘッドホン「CELESTEE」にも同型の振動板が採用されています。
RADIANCEは音源を選びません!
独特な形状から生み出されるサウンド
RADIANCEの形状自体は、従来のFOCALヘッドホンと変わりません。
ですが、RADIANCEのハウジングには、Bentleyのモチーフである「ダイヤモンドマーク」が施されているのがわかります。
ハウジングのセンターにはコッパー(カッパー)仕上げがされており、美しく輝いています。
上部から見ると、カタツムリのような”ひねり”があるハウジング形状が特徴的です。
この独特なハウジング形状から、FOCAL特有のスピーカーサウンドが生み出されていると感じます。
良質な純正ケーブル
3.5mmステレオジャックケーブルは、RADIANCE「専用」に新造されています。
プラグ端子には、独特なダイヤモンド状のデザインが施されており、カッコいいです。
端子部はStelliaと同じTS端子(モノラル端子)。
3.5mmステレオミニケーブルは6.3mm標準ステレオプラグに変換可能です。
線材は他FOCALヘッドホンに採用されている、OFC 24AWG 1.2m。
純正のケーブルなので統一感があります。(※24AWG=0.5105mm)
FOCAL STELLIAと同じく、とくにリケーブルをしなくてもポテンシャルを十分に発揮できます。
本体との統一感もありますし、下手にリケーブルしないほうがいいかもしれません。
リケーブルの際はSTELLIAとの互換性もあるため、使い回しが可能です。
掛け心地の良いイヤーパッド
FOCAL STELLIAと同様、厚みのあるフルグレインレザー製。
ただし、STELLIAよりも低反発感が増しているような印象を受けました。
装着時、耳にピタっと吸いつくような心地良さ。イヤーパッドの質の高さを感じます。
密閉性と掛け心地のよさを両立しているのでとても快適。
雑音をカットし、音がダイレクトに鼓膜まで届いてきます。太い低音域はこのイヤーパッドの恩恵だと感じざるを得ません。
秀逸なヘッドバンド
側圧は気持ち強めなRADIANCEのヘッドバンド。強めと言っても長時間ヘッドホンをしていても疲れないくらいの側圧です。
ヘッドバンド裏面の「ダイヤモンドマーク」と関係があるためか、低反発な手触り感がいいです。
メタリックブロンズに輝く「ベントレーの翼」のロゴが描かれています。
誇張されているわけではなく、あくまでデザインの一部として溶け込んでいるため、ただただ美しい……。
外に持ち出してもズレてくることはなく、ストレスフリーに音楽を楽しめます。
バランスの良い音質
FOCAL RADIANCEはどちらかといえば、重低音に強みを感じます。が、強調しすぎることはなく、全帯域フラットな傾向。
ベリリウム振動板を使った「UTOPIA」や「STELLIA」と比べると、音の厚みが薄く感じるはず。
音質にクセがないため、苦手な音楽がありません。
フラット傾向なので「音の分離」が良く、音数も多い印象。
音の好みは人それぞれですが、「密閉型かつ、立体感のある音」を求めるのであれば「FOCAL RADIANCE」が最適です。
2022年7月現在、FOCAL RADIANCEは販売終了となりました。店舗の在庫限りとなりますので、気になる方は早めの購入をおすすめします。(中古品はドライブユニット破損の可能性もあるのでおすすめしません。)
FOCAL RADIANCE【5つのQ&A】
- RADIANCEを中古で購入するときの注意点は?
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中古で購入する際は、必ず動作確認をしましょう。
とくに、専門店以外(フリマアプリなど)で購入するときは、音が正常にでるか出品者に質問することをおすすめします。稀に、ドライブユニットが壊れていることがあるからです。
- RADIANCEにおすすめのリケーブルは?
-
RADIANCEにおすすめのリケーブルは純銀線+金メッキ銀線です。
選ぶポイントは、なるべくコア数の多いものを選びましょう。RADIANCEは、リケーブルの「色」を繊細に描き出します。
- RADIANCEにヘッドホンアンプは使うべき?
-
RADIANCE本来のサウンドを鳴らすためにもヘッドホンアンプを使いましょう。おすすめはWOO AUDIO WA8です。DAP直挿しでも問題なく鳴りますが、音のパワフルさや各帯域の伸び感がまるで変わります。
- FOCAL RADIANCEの音の傾向は?
-
どちらかといえば低音域に強みがあり、全帯域でフラット傾向です。(※詳しくはこちら)
音源の得意不得意がRADIANCEにはなく、あらゆる音楽を楽しめます。
- RADIANCEを購入する店舗のおすすめは?
-
RADIANCEを新品で購入するなら「e☆イヤホン 」をおすすめします。
FOCAL RADIANCEはこんな人におすすめ
FOCAL RADIANCEは「FOCALサウンドをもっと気軽に聴きたい、内外とわず持ち歩きたい方」におすすめです。
あらゆる音源を鳴らし切る優等生タイプ。
ヘッドホン本体は435gと重いのがデメリットですが、長時間でなければそこまで気になりません。
さらに高音質を求める方は、上位機のFOCAL STELLIAを検討してみましょう。
» FOCAL STELLIAを徹底レビュー【脱・ヘッドホン沼】
FOCAL RADIANCEを徹底レビュー【コスパ最高】まとめ
本記事では「FOCAL RADIANCEを徹底レビュー【コスパ最高】」について書きました。
15万円以下で入手できるヘッドホンのなかではトップクラス。
ぶっちゃけ、他社メーカーの同クラスのヘッドホンよりも「高音質」です。
全体的にフラットですが、弾むような低音域、スーっと伸びる高音域はまさにHI-FIサウンド。
スピーカーサウンドを「いつまでもどこでも楽しみたい!」そんな願いを叶えるヘッドホンです!
デザイン性、音質を含め「FOCAL RADIANCE」は、まさにコスパの高いヘッドホンだと感じます。
2022年7月現在、FOCAL RADIANCEは販売終了となりました。店舗の在庫限りとなりますので、気になる方は早めの購入をおすすめします。(中古品はドライブユニット破損の可能性もあるのでおすすめしません。)
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