FOCAL UTOPIAはリケーブルをすることで音の情報量・厚みなどが変化します。
線材や芯線の構成(コア数)が肝となり、その恩恵をUTOPIAはモロに受けることを体感しました。
この記事を書いている僕は、FOCAL UTOPIAの使用歴が4年以上。
FOCAL UTOPIAをリケーブルをしつつ、極上の音質を楽しんでいます。
» 参考記事:「Focal Utopiaを徹底レビュー【結論:神ヘッドホン】」
UTOPIAにおすすめなハイエンドケーブルを試しましたので、その結果をまとめました。
3分ほどで読めますので、Utopiaのリケーブルをお考えの方はぜひ最後までお付き合い下さい。
【FOCAL UTOPIA】ハイエンドリケーブルをレビュー
FOCAL UTOPIAと相性のいいリケーブルは下記のとおりです。
上記は市販品ではなく、オーダーメイドケーブルとなります。リケーブルを選ぶポイントは、ケーブルの「コア数」と「線材」を徹底的に厳選しました。
なお、おすすめしたリケーブルに関しては「FOCAL STELLIA」にも使用しており、下記で解説しています。
» 参考記事:FOCAL STELLIAにおすすめリケーブル3選【純正ケーブルも使いこなそう】」
それでは1つずつ見ていきましょう。
銀メッキ銅線+銅線32本編みケーブル
「高純度銀メッキ(PCOCC)×16本、単結晶状高純度無酸素銅(PCOCC)×16本=32本」によるハイエンドケーブルです。
Utopiaの低音域が「バン」から「ドン」に変わり、全体的に音の情報量が一気に増します。
リケーブルなのに、まるでアンプを追加したかのような変化で、とてもエネルギッシュです。
これぞハイエンドケーブルと感じざるを得ません。線径に関しては約8mmと極太ですが、しなやかなので取り回しは良好。
リスニングの邪魔になりませんので快適に音楽を楽しめます。
メリッット | ・高域にキレがある ・一聴して「音質変化」を体感できる ・全音域でパワー感が増す |
デメリット | ・線材の色が少し派手 ・価格が5万円~と決してコスパは良くない |
上記のとおり、リケーブルの恩恵を大いに得られます。UTOPIAとの相性も抜群。
まず失敗することがないので、「迷ったらこれ!」っと言えるケーブルです。
金メッキ+純銀線16本編みケーブル
上には上がいるもので、 「銀メッキ銅線+銅線32本編みケーブル」を凌駕するハイエンドケーブルが“金メッキ+純銀線16本編みケーブ”です。
「金メッキ+純銀線16本編みケーブル」は、情報量の多さはもちろん、純銀線による明るくキレの良いサウンドが特徴です。
仕様は下記をご覧ください。
- 線径の太さ:約9mm
- より線1本の太さ:約1.2mm(0.14mmの太い芯線の計7本構成)
- 4N純銀線+金メッキの16本構成
上記のとおり。なお、一般的に、銀線は細い「より線」を使うと高域が強調される傾向です。
しかし、トータル9mmにも及ぶ太さはそんなイメージを覆しました。低域がしっかりでており、タイトでダンピングが効いています。
FOCAL UTOPIAは高域にエッジがあり、高解像度なサウンドですが「金メッキ+純銀線16本編みケーブル」を使うことで、さらに高域~中域がブラッシュアップされる印象でした。
高音域は決して刺さることはなく、きれいに伸び切ります。銀線なのに「豊かな低音域」に驚きます。
メリッット | ・音に立体感が増す ・高域はきれいに伸び切る ・低音域は弾けるように「ドン」と沈む ・線材とUtopiaの外観がマッチしている |
デメリット | ・10万円超えでかなり高価 ・オーダーメイド品で入手が困難 |
オーダー時は、10万円を超えるリケーブルでした……。とはいえ、その効果は絶大なものです。
価格以上の音質変化をUTOPIAにもたらしてくれました。
4N純銀Semi-Litz 16本編みケーブル
「4N純銀Semi-Litz 16本編みケーブル」は、最もFOCAL UTOPIAに”最適なリケーブル“と感じました。
理由は下記のとおりです。
- 音数が多く、情報量が多い
- 圧倒的な解像度と透明感がある
- 低音域はスピーディーかつ、深みがある
上記のとおりで、UTOPIAの特性と非常にマッチしています。
足りない音域を補い合うのではなく、相乗効果でUtopiaのサウンドが昇華するイメージです。
音源をよりピュアに再現するため、とても繊細な音質変化を楽しめます。
Semi-Litz構造
芯線には「Semi-Litz構造」が採用されています。具体的な特性は下記をご覧ください。
- 周波数特性の劣化がない
- 線材間の「歪」が基本的に発生しない
- ケーブルが長いほど「差」は明確になる
上記のとおり。リッツ構造は、1コアあたり10本の芯線で、その1本1本が被覆されています。
つまり、16本編みなので計160本もの芯線を丁寧に被覆されています。
裸線によるお互いの接触がないため、信号の歪もありません。
「ピュアな音」を再現できる唯一のケーブルではないでしょうか。
メリッット | ・中音域の鮮度が高くリアル ・ヴォーカル域が生々しい ・高域はピュアできれいに伸び切る ・低音域はタイトで深みがある ・雑味がなく歪のない信号伝達 |
デメリット | ・10万円超えでかなり高価 ・オーダーメイド品で入手が困難 |
「金メッキ+純銀線16本編みケーブル」と「4N純銀Semi-Litz 16本編みケーブル」はかなりいい勝負をします。
個人的には下記の使用例が合うと思います。
それぞれの音楽環境も関係しますので、正解はありません。ほかにもまだ無数にケーブルがありますので、随時レビューをしていけたらと思います。
FOCAL STRELLIAよりも線材の音色を体感できる
FOCAL UTOPIAは、音楽環境による音質変化、音源、リケーブルの変化をまっすぐ再現します。
つまり、線材の微妙な違いを「繊細に描き出す」ため、ケーブル選びはこだわる必要があります。
リケーブルによる音質変化は、オカルト的だという意見があります。とはいえ、FOCALヘッドホンに関してはその理論は捨てましょう。
論より証拠で、「明確な音質変化」を体感できるからです。
【番外編】:銀メッキ銅線ケーブル
少し特殊で参考にならないかもですが「SilverRunning」に特別に作って頂いたオリジナルケーブルをご紹介し
SilverRunning製「PLATINUM SIGNATURE」と同等の線材になります。
仕様は下記のとおりです。
- 銀メッキ(特殊クライオ処理)銅線
- NeutrikのXLR4ピン
- 制振効果があるインシュレーター付き
オリジナル性があるケーブルで、非常に高音域がキラキラしたような印象です。
まさに、銀線のイメージを具現化したようなサウンド傾向。
高音域はきれいですが、低音の迫力に欠け、ちょっと物足りない印象でした……。
まさに「好き嫌いが別れるサウンド」です。
FOCAL UTOPIAをリケーブルする2つの理由
Focal Utopiaをリケーブルする理由は次のとおりです。
1つずつ深掘りしていきましょう。
FOCAL UTOPIAは鳴らしにくい
UTOPIA本来のパフォーマンスを発揮させるのには“コツ”が必要です。
それは、ドライバーユニットの性能をうまく引き出せるかにかかっています。
つまりアンプの駆動力です。そして「ケーブル」です。
ケーブル1つでも「音色」が変化することは先述したとおり。
UTOPIAを鳴らし切るためにもリケーブルは重要な要素となります。
FOCAL UTOPIAは「線材の良さ」を楽しめる
音楽環境や音源にいたるまで、すべてを描き出すのがFOCAL UTOPIAの魅力です。
ケーブルの音色や、機材の性能を余すことなく再現できるので「ケーブルを変える楽しみ」ができます。
「え、こんなに音が変わるの?」というレベルの音質変化を楽しめるのはFOCAL UTOPIAだけだと思います。
今回ご紹介したケーブル以外にも、ケーブルは存在します。いろいろ試しつつ、FOCAL UTOPIAを共に楽しみましょう。
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